照見五蘊皆空 しょうけんごうんかいくう

ここでは、15文字目からの文を解説します。

照見(しょうけん)

照見は「分かった」「了解した」という意味です。
ここでは、観自在菩薩が「理解した」「見極めた」という意味になります。

五蘊(ごうん)

蘊は集まりという意味です。
五蘊は、「人間の心身を構成している五つの要素」という意味です。
五蘊は、色・受・想・行・識の5つです。色だけが実体・肉体を表し、その他4つは思い・感情です。

用語読み 意味
しき我々をとりまく形のある世界
じゅ感受する
そうそのものが何であるかを見極める
ぎょう心がある方向にはたらく
しき自らの状態を知る


皆(かい)

皆は「すべて」という意味です。

空(くう)

空は、サンスクリット語で、シューニャという言葉の訳語です。
空虚、空っぽ、空間とは意味が異なります。

空の意味は難しいのですが...
ものごとは条件によって成り立っていて、
誰かが「ある」と思っているものは、条件によって成り立っているもので、
そのもの固有の実体は「ない」のだということを表しています。
空は「本質的なものではない」という意味になります。

実体がないから空(くう)であり
変化し続けるから空(くう)であり
因果によって存在するから空(くう)なのです。

「こだわり」の根本は五蘊にあるが、五蘊そのものは空(くう)であり
空(くう)の境地に至れば一切の苦厄を克服できる...というように
観音菩薩は、その空の境地に到りました。こだわりから解き放たれるのが真の悟りということです。

別の解釈では、空(くう)は、「移ろいゆく世界をつかさどる法則」です。
いままでの科学では発見されていない一番重要な法則として空があり、
空からものごとが起き、ものごとが空に戻ります。

さらに別の解釈では、空(くう)は、「とらわれない、こだわらないこと」です。
有ることも無いこともないというとらえ方です。

空については、様々な僧侶や学者たちが、様々な解釈をもって説明しています。
般若心経は大乗仏教、つまり衆生(多くの人々)を救うための仏教の経典ですので、多くの人々の苦悩を解決する具体的な考えを提示したために、このように多様な解釈となっています。
多様な解釈の中で、自分にしっくりくる説明を信じるのがよいと思います。

照見五蘊皆空 しょうけんごうんかいくう

上記の解説をつなぎあわせると、照見五蘊皆空とは、
(観自在菩薩が)「見極めた」「人間の心身を構成している五つの要素」は「すべて」「本質的なものではない」
という意味になります。

般若心経の読経・写経用ページでは、
人間の心身を構成している五つの要素がいずれも本質的なものではない
という訳にしました。

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